弁護士こぼれ話3 事業承継と相続

事業承継

会社の株式の多くを支配する企業家の皆さんの事業承継は、悩ましい問題を抱えています。複数の相続人がいる場合、事業の承継者に株の大部分を与えてしまうと、他の相続人が黙っていない。しかし、株を分散すると会社の経営は不安定になってしまう。会社の支配権は承継人に与えて、他の相続人から遺留分減殺請求などの文句が出ないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。

様々なやり方がありますが、究極の支配権を持つ拒否権付株式(いわゆる「黄金株」 )を発行する。事業承継者以外には株式を支配権(議決権)はない代わりに配当優先がある株式を発行するという方法もありますし、経営承継円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する民法の特例)により、株式を遺留分減殺請求の対象からはずす合意をするという手段もあります。
相続税の点でも事業承継には色々な対策が可能です。

非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例(平成27年1月1日施行)

相続税
相続開始後に経産大臣の認定を受けて、非上場中小企業の後継者が先代経営者から、自社株式を相続した場合に、相続税のうち一定数の株式の課税価格の80%の納税が猶予され、後継者の死亡により猶予されている相続税の納付が免除されます。

贈与税
経産大臣の認定を受けた非上場中小企業について、その後継者が先代経営者から一括贈与により自社株式を取得した場合に、その自社株式に係る贈与税の 一定数の納税を猶予することができます。先代経営者の死亡等により、猶予されている贈与税の納付が免除されます。

相続時精算課税制度(平成27年1月1日以後)

贈与税の申告時に、「相続時精算課税選択届出書」など必要な書類を添付することで、下記のとおり、贈与時に軽減された贈与税を納付して相続時に相続税で精算する課税制度を選択することができます。

贈与時
・申告を前提に、贈与者は贈与をした年の1月1日において贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の親又は祖父母、受贈者は贈与者の推定相続人である贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の子又は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の孫への贈与につき、2,500万円の非課税枠(限度額まで複数回使用可)、これを超える部分については税率一律20%で課税します(前年以前に利用していない場合)。

相続時
・贈与時の時価で贈与財産を相続財産と合算して相続税額を計算し、精算します。
ただ、いずれの方法も遵守しなければならない要式が厳格ですので、ご相談が必要です。

この問題は、個々の皆様の事情により、オーダーメイドの事業承継を考えなければなりませんので、専門家に相談しないと進まない傾向の分野と言えます。

当職は、経済産業大臣による経営革新等支援機関に認定され(20130118関東第3号及び関財金1第57号)、中小企業の皆様の事業支援のために努力し続けています。

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